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出来高チェック:EUR/USDはブレイクアウトかフェイクアウトか?
Jun 12, 2025 9:17 AM

EUR/USDは2025年の高値付近 – しかし出来高は低い

出典:TradingView。すべての指数は米ドル建てのトータルリターンです。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。データは2025年6月11日時点。

EUR/USDは2025年の高値付近で取引されています。一見すると強いトレンドのように見えますが、トレーダーは単に価格を見ているだけではありません。本当に需要があるのか、それとも短期的なスパイクに過ぎないのかという、より深い問いを投げかけています。

その答えは、古典的なテクニカル指標のひとつである「出来高」にあることが多いのです。

あらゆる経済ニュースや中央銀行の発言にアルゴリズムが反応する時代においても、出来高は信頼性の高い確信の指標として知られています。方向性を予測するものではありませんが、実際に資金が市場に流入しているかどうかを示してくれます。

なぜ出来高が重要なのか

出来高は、特定の期間内に取引された契約またはロットの数を示します。この指標は、価格のブレイクアウトやブレイクダウンが本当に市場参加者によって支えられているのか、それとも反転する可能性が高いのかを明らかにします。

EUR/USDが1.1450を再テスト – 限られた出来高で本物のブレイクか、それともフェイクか?

出典:TradingView。すべての指数は米ドル建てのトータルリターンです。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。データは2025年6月11日時点。

価格のブレイクアウト時に出来高が増加する場合、それは通常、その動きに強い関心とモメンタムがあることを示します。逆に、出来高が少ないままブレイクアウトが発生した場合、それは持続しない可能性があり、早期に参入したトレーダーは反転に巻き込まれるリスクがあります。だからこそ、チャート上の出来高バーが重要なのです – 本当に市場が参加しているかどうかを確認できます。

EUR/USDの現在のチャート構成

EUR/USDは、1月に1.08以下から上昇し、6月初めには1.1450近くまで到達しました。現在は約1.1421で取引されており、4月以降に何度も試されたレジスタンスゾーンのすぐ下にあります。

しかし、価格が上昇しているにもかかわらず、市場の熱気はあまり感じられません。6月11日の出来高は87.7Kで、強気継続にしては平均を下回る水準でした。一方で、RSIは57.55と中立ゾーンにあり、どちらにも動ける余地はあるものの、現時点では明確なモメンタムは見られません。

EUR/USD 50/100/200日移動平均線およびRSI – 2025年6月スナップショット

出典:TradingView。すべての指数は米ドル建てのトータルリターンです。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。データは2025年6月11日時点。

トレーダーが注目するのは、トレンドラインの整列です。50日移動平均線(SMA)は1.1292まで上昇しており、ダイナミックサポートとして機能しています。100日と200日移動平均線(それぞれ1.0947と1.0825)は現在の価格よりもかなり下に位置しており、長期的な上昇トレンドを裏付けています。ただし、出来高による確認がなければ、チャートは反転に対して脆弱なままです。

ブレイクアウトかフェイクアウトか?

以前にも同じような展開がありました。4月下旬、EUR/USDは1.1458まで急上昇しましたが、その後すぐに1.1180台まで反落しました。当時の動きには出来高と確信が欠けており、結果的にすぐに否定されました。今回も同じ水準に近づいており、トレーダーは歴史が繰り返されるかどうかに注目しています。

本物のブレイクアウトを確認するには?出来高を伴った1.1450超えの終値です。フェイクアウトの兆候は?出来高が乏しいまま価格が上昇し、RSIが乖離し始めた上で反転する場合です。

なぜ市場は躊躇しているのか?

根本的な要因も市場の躊躇に影響しています。ECBは直近の会合で金利を据え置いたものの、年内の利下げの可能性を示唆しました。一方で、米連邦準備制度理事会(FRB)は次の政策決定で意見が分かれており、明日発表予定の米CPIデータがさらに不確実性を加えています。

両中央銀行が様子見姿勢を取る中、市場は宙ぶらりんの状態にあります。だからこそ、出来高、トレンドライン、RSIなどのテクニカル指標が短期的なシグナルとしてより重要になっているのです。

まとめ

EUR/USDの上昇は安定していますが、現在の水準では出来高の欠如が懸念材料となっています。現時点では、主要な移動平均線の上で推移し、RSIも健全ですが、過去に価格が拒否されたレジスタンスラインのすぐ下に位置しています。

次の動きは経済指標によって左右されるかもしれませんが、トレーダーの確信を示すのは出来高です。

それまでは、ブレイクアウトを予測するのではなく、出来高で確認されるまで待つのが賢明な判断です。

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